はじめに
抹茶の魅力とは?
抹茶は、日本の伝統的な飲み物であり、茶道の文化とともに発展してきました。美しい緑色と独特の香り、そしてほのかな苦みと甘みが特徴です。近年では、健康効果が注目され、海外でも人気が高まっています。
抹茶には、カテキンやテアニンなどの成分が含まれており、抗酸化作用やリラックス効果が期待できます。また、カフェインが含まれているため、コーヒーのように目を覚ます効果もありますが、テアニンとの相乗効果で穏やかな覚醒感が得られるのが特徴です。
抹茶を点てることで得られるリラックス効果
抹茶を点てる動作そのものが、心を落ち着かせる時間になります。茶筅を使ってお湯と抹茶を混ぜる動作は、瞑想のような効果があるとも言われます。また、抹茶の香りにはリラックス効果があり、忙しい日常の中でほっと一息つく時間を作ることができます。
初心者でも簡単にできる基本的な点て方を紹介
「抹茶を点てる」と聞くと、茶道の難しい作法を想像するかもしれません。しかし、家庭で楽しむ抹茶は、気軽に点てて飲むことができます。本記事では、初心者でも簡単にできる抹茶の点て方を、道具の選び方から美味しく点てるコツまで詳しく解説していきます。
抹茶を点てるために必要な道具
抹茶を美味しく点てるためには、いくつかの専用の道具が必要です。初心者でもそろえやすい基本的な道具を紹介します。
抹茶碗(まっちゃわん)
抹茶を点てるための専用の茶碗です。深めで口が広く、茶筅を使いやすい形状になっています。抹茶碗にはさまざまなデザインや素材のものがありますが、初心者はシンプルで持ちやすいものを選ぶとよいでしょう。
茶杓(ちゃしゃく)
茶杓は、抹茶をすくうための細長い竹製のスプーンです。茶さじでも代用できますが、茶杓を使うことで適量(約2g)をすくいやすくなります。
茶筅(ちゃせん)
茶筅は、抹茶をお湯と混ぜて泡立てるための道具で、竹で作られています。茶筅の穂先の本数(120本立て、80本立てなど)によって泡立ちが異なりますが、初心者には一般的な「80本立て」がおすすめです。
ふるい

抹茶は細かい粉末状ですが、ダマになりやすいため、点てる前にふるっておくと滑らかで美味しい抹茶が作れます。茶こしを使ってふるうのが一般的です。
湯さまし
抹茶を点てる際、沸騰したてのお湯ではなく、適温(約80℃)に冷ましたお湯を使うのがポイントです。湯さまし(または別の茶碗)を使ってお湯を少し冷ますと、抹茶の風味を引き出しやすくなります。
抹茶の選び方と保存方法
抹茶を美味しく楽しむためには、適切な種類を選び、正しい方法で保存することが重要です。この章では、抹茶の種類や選び方、保存のポイントを紹介します。
抹茶の種類(薄茶と濃茶)
抹茶には、大きく分けて「薄茶(うすちゃ)」と「濃茶(こいちゃ)」の2種類があります。
- 薄茶(うすちゃ)
- 一般的に家庭やカフェなどで楽しまれる抹茶。
- お湯と抹茶を混ぜて点て、泡立てて飲むのが特徴。
- 比較的リーズナブルで、初心者にも扱いやすい。
- 濃茶(こいちゃ)
- 茶道で主に使われる、高級な抹茶。
- 薄茶よりも細かく挽かれ、旨味が強い。
- お湯の量を少なめにし、練るようにして作る。
初心者の方は、まずは薄茶用の抹茶を選ぶのがおすすめです。
質の良い抹茶の見分け方
美味しい抹茶を選ぶためには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 色が鮮やかな緑色か
- 質の良い抹茶は、鮮やかで深みのある緑色をしています。
- くすんだ色や黄色っぽいものは、酸化が進んでいたり、質が低い可能性があります。
- 香りが豊かか
- 新鮮な抹茶は、甘みを感じる上品な香りがします。
- 逆に、苦みが強すぎる香りや青臭いものは、品質が低い場合があります。
- 口当たりがなめらかか
- 質の良い抹茶は、微粒子状でなめらかな舌触りが特徴です。
- 粒が荒いものは、溶けにくく、点てたときにダマになりやすいです。
抹茶の正しい保存方法
抹茶はとてもデリケートな食品なので、適切に保存することで風味を長持ちさせることができます。
- 密閉容器に入れる
- 抹茶は空気に触れると酸化しやすいため、開封後は密閉できる容器に移し替えましょう。
- 冷暗所で保存
- 直射日光や高温多湿を避け、冷暗所(冷蔵庫など)で保存すると鮮度が保たれます。
- ただし、冷蔵庫から取り出した際に結露がつくと品質が落ちるため、使う前に常温に戻してから開封すると良いでしょう。
- 開封後は早めに使い切る
- 抹茶は時間とともに風味が落ちるため、開封後は1〜2ヶ月以内に使い切るのが理想的です。
基本の抹茶の点て方
抹茶を美味しく点てるには、適切な道具と手順が大切です。ここでは、初心者でも簡単にできる基本の点て方を紹介します。
1. お湯の温度を適温にする(80℃前後)

抹茶を点てる際に最も重要なのが「お湯の温度」です。
熱湯(90℃以上)を使うと、抹茶の風味が損なわれ、苦みが強くなってしまいます。
適温は約80℃が目安です。
お湯を適温にする方法
- 沸騰したお湯(100℃)を一度湯さましや別の器に移すと、約10〜15℃下がります。
- 2回移し替えると、80℃前後まで下がるので、この方法がおすすめです。
2. 抹茶をふるう
抹茶は粉末ですが、細かいダマができやすいため、ふるっておくとダマにならず、なめらかな口当たりになります。
ふるい方
- 茶こしを使い、抹茶を軽くふるう。
- 直接抹茶碗に入れるか、別の小皿にふるっておいてから使う。
3. 抹茶を入れる(1杯分:抹茶2g)
茶杓(または小さじ)を使い、抹茶を約2g(茶杓2杯分、小さじ1杯分)を抹茶碗に入れます。
4. 少量の湯を入れて練る
最初に少量(約10〜20ml)の湯を入れ、茶筅でゆっくり円を描くように混ぜます。
この工程を入れることで、抹茶とお湯がよく馴染み、ダマになりにくくなります。
5. お湯を加え、茶筅で点てる
適温(80℃)のお湯を60〜80mlほど加えます。
茶筅を使い、「M」または「W」を描くように素早く動かし、泡立てます。
茶筅の使い方のポイント
- 手首のスナップを利かせて、素早く動かす。
- 円を描くのではなく、前後に小刻みに振る。
- 泡立ちをよくするには、最後にゆっくりと円を描き、泡のキメを整える。
6. 仕上げ

泡がきめ細かくなったら、最後に表面を整え、茶筅をゆっくり持ち上げます。
出来上がった抹茶をゆっくり楽しみましょう。
美味しく点てるコツとアレンジ
抹茶を点てる際、ちょっとしたコツを押さえるだけで、より美味しく仕上がります。また、アレンジを加えることで、抹茶の楽しみ方が広がります。
よくある失敗例と対策
1. ダマができてしまう
原因:抹茶がしっかり溶けず、粉っぽさが残る。
対策:
- 抹茶を点てる前に茶こしでふるう。
- 最初に少量のお湯で練ると、均一に溶けやすい。
2. 泡が立たない
原因:茶筅の動かし方が遅い、または力が足りない。
対策:
- 茶筅を前後に素早く動かす(M字またはW字を描くように)。
- お湯の量を適切に(80ml程度)し、抹茶が薄すぎないようにする。
3. 苦みが強い
原因:お湯の温度が高すぎる、または抹茶の質が低い。
対策:
- 80℃前後のお湯を使う(熱湯をそのまま注がない)。
- 高品質の抹茶を選ぶ(鮮やかな緑色のものがおすすめ)。
抹茶のアレンジ方法
1. 抹茶ラテ
抹茶の苦みが苦手な方には、ミルクを加えた抹茶ラテがおすすめ。
作り方:
- 抹茶を少量の湯(約30ml)で溶かす。
- 温めたミルク(150ml)を加える。
- 甘さを加えたい場合は、はちみつや砂糖をお好みで。
ミルクを泡立てると、よりクリーミーな味わいになります。
2. 抹茶ハチミツドリンク

抹茶にハチミツを加えると、甘みが加わり飲みやすくなります。
作り方:
- 抹茶をお湯(80℃)で点てる。
- 小さじ1杯のハチミツを加えて混ぜる。
- 冷やしてアイス抹茶としても楽しめる。
3. 抹茶スムージー
暑い季節には、抹茶スムージーがぴったり。
作り方:
- 抹茶(2g)、バナナ(1本)、牛乳(150ml)、氷(適量)をミキサーにかける。
- 砂糖やはちみつで甘さを調整する。
フルーツの自然な甘みと抹茶の風味がマッチし、ヘルシーなドリンクになります。
まとめ
抹茶は、シンプルながら奥深い魅力を持つ飲み物です。基本的な点て方を覚えれば、初心者でも気軽に楽しむことができます。
抹茶を美味しく点てるポイント
- お湯の温度は80℃前後にすることで、抹茶本来の風味を引き出す。
- 抹茶をふるってから点てると、ダマができにくくなめらかな仕上がりに。
- 茶筅をM字・W字に素早く動かすと、きめ細かい泡が立ちやすい。
毎日手軽に抹茶を楽しむ
抹茶は、点てる時間そのものがリラックス効果をもたらします。朝の一杯として、または仕事や家事の合間に、心を落ち着ける時間を作るのにぴったりです。
さらに、抹茶ラテやスムージーなどのアレンジを楽しめば、日常の中で抹茶をより身近に感じられるでしょう。
ぜひ、お気に入りのスタイルで抹茶を楽しんでみてください!
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