はじめに
抹茶は、健康や美容に良いとされ、リラックス効果や抗酸化作用があることで人気の飲み物です。しかし、妊娠中や授乳中は食生活に気をつける必要があるため、「抹茶を飲んでも大丈夫?」と不安に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、妊娠中・授乳中でも抹茶を飲むことは可能ですが、いくつかの注意点があります。 抹茶に含まれるカフェインやカテキンの影響を理解し、適切な量や飲み方を意識することが大切です。
この記事では、妊娠中や授乳中の方が抹茶を飲む際のメリット・デメリット、適切な摂取方法、注意点について詳しく解説します。安全に抹茶を楽しむためのポイントを知り、安心して過ごしましょう。
抹茶に含まれる成分と妊娠・授乳期への影響
抹茶にはさまざまな栄養素が含まれており、健康に良い影響をもたらす一方で、妊娠中や授乳中には注意が必要な成分もあります。ここでは、特に重要なカフェイン、カテキン、その他の栄養素について、それぞれの影響を解説します。
カフェインの影響
カフェインは、覚醒作用や疲労回復効果がある一方で、妊娠中・授乳中の摂取には注意が必要な成分です。
妊娠中のカフェイン摂取による影響
- 胎盤を通じて胎児に届く → 胎児の未発達な肝臓ではカフェインをうまく代謝できない
- 流産や低出生体重児のリスクが高まる可能性(大量摂取時)
- 妊婦の鉄分吸収を妨げる → 貧血のリスクが上がる
▶ WHO(世界保健機関)や日本産科婦人科学会は、妊婦のカフェイン摂取を1日200mg以下に抑えることを推奨しています。
抹茶に含まれるカフェイン量(1杯あたり)
飲み物 | カフェイン量(約200mlあたり) |
---|---|
抹茶(薄め) | 約30mg |
抹茶(濃いめ) | 約60mg |
コーヒー | 約60〜100mg |
緑茶 | 約30mg |
一般的な薄めの抹茶1杯であれば、1日の上限(200mg)を超えることはありませんが、コーヒーや他のお茶と併せて飲む場合は注意が必要です。
授乳中のカフェイン摂取による影響
- 母乳を通じて赤ちゃんに届く → 赤ちゃんが興奮しやすくなったり、寝つきが悪くなる可能性
- 新生児期(生後3ヶ月頃まで)は特に影響を受けやすい
- カフェインの代謝能力は月齢とともに上がるため、成長すれば影響は減る
▶ 授乳中のカフェイン摂取も、1日200〜300mg程度が目安とされています。赤ちゃんの様子を見ながら、適量を心がけましょう。
カテキンの影響
カテキンは、緑茶に多く含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用が高く、健康に良い成分として知られています。しかし、妊娠中には葉酸の吸収を妨げる可能性があるため、摂取量に注意が必要です。
葉酸とは?

葉酸は、胎児の発育に欠かせないビタミンB群の一種で、神経管閉鎖障害(先天性異常)のリスクを低減するために重要な栄養素です。妊娠初期に特に必要とされ、厚生労働省は妊娠中の女性に1日400μgの葉酸摂取を推奨しています。
▶ カテキンを過剰に摂取すると、葉酸の吸収が阻害されることがあるため、妊娠初期は特に注意が必要です。
ただし、通常の食事で適量の抹茶を飲む程度であれば、大きな問題はありません。葉酸を多く含む食品(ほうれん草、枝豆、レバーなど)とバランスよく摂取することが大切です。
その他の栄養素とそのメリット
抹茶には、カフェインやカテキン以外にも、妊娠・授乳中にうれしい栄養素が含まれています。
- テアニン → リラックス効果があり、ストレス軽減に役立つ
- ビタミンC → 美肌効果、免疫力向上に貢献
- 食物繊維 → 便秘解消をサポート
特にテアニンは、カフェインによる興奮作用を和らげる働きがあるため、抹茶はコーヒーよりも穏やかなエナジーブーストが期待できる飲み物といえます。
まとめ
- カフェインは胎児や赤ちゃんに影響を与えるため、1日200mg以内を目安に摂取する
- カテキンは葉酸の吸収を妨げる可能性があるため、妊娠初期は過剰摂取に注意
- テアニン・ビタミンC・食物繊維などの栄養素にはメリットもある
抹茶には良い面もありますが、妊娠・授乳中は適量を意識しながら、安全に楽しむことが大切です。
妊娠中に抹茶を飲む際の注意点
妊娠中でも抹茶を飲むことはできますが、胎児への影響を考えて、飲む量やタイミングに気をつけることが大切です。ここでは、安全に抹茶を楽しむためのポイントを解説します。
1日のカフェイン摂取量の目安
妊娠中のカフェイン摂取量については、以下のような基準があります。
- WHO(世界保健機関):1日 300mg までを推奨
- 日本産科婦人科学会:1日 200mg までが望ましい
先ほど紹介したように、抹茶1杯(約200ml)には30〜60mgのカフェインが含まれています。 そのため、1日2杯程度までなら問題ない範囲といえますが、コーヒーや紅茶、チョコレートなど他のカフェインを含む食品と合わせると摂取量を超えてしまう可能性があるので注意しましょう。
カフェインを摂りすぎるとどうなる?
カフェインの過剰摂取は、以下のようなリスクを高める可能性があります。
- 流産や早産のリスクが高まる(特に妊娠初期)
- 胎児の発育遅延(低出生体重児のリスク)
- 貧血のリスクが上がる(鉄分の吸収を妨げるため)
- 睡眠の質が悪化する(妊娠中はホルモンの影響で眠りが浅くなりがち)
▶ 1日のトータルカフェイン量を意識しながら、適度に抹茶を楽しむことが重要です。
抹茶を飲むタイミングや量の調整方法

妊娠中に抹茶を飲む場合、飲むタイミングや量を調整することで、カフェインの影響を抑えることができます。
おすすめの飲むタイミング
- 午前中〜昼間に飲む(夜は睡眠の妨げになる可能性がある)
- 食後に飲む(空腹時に飲むとカフェインの吸収が早まりやすいため)
- 葉酸の摂取時間とずらす(カテキンが葉酸の吸収を阻害する可能性があるため)
飲む量の調整方法
- 1日1〜2杯までにする(カフェイン摂取量を200mg以内に抑えるため)
- 薄めに淹れる(濃い抹茶はカフェイン量が多くなるため)
- カフェインを含む他の飲み物とのバランスを取る(コーヒーや紅茶と併用しない)
妊娠中のおすすめの抹茶の飲み方
妊娠中でも抹茶を楽しむために、以下のような工夫をすると安心です。
① ミルクや豆乳を加える(抹茶ラテにする)
抹茶をミルクや豆乳と合わせることで、カフェインの吸収をゆるやかにし、胃への刺激を和らげることができます。また、カルシウムやタンパク質も一緒に摂取できるので、妊娠中の栄養補給にも◎。
② お湯を多めにして薄めに淹れる
通常よりもお湯を多めにして薄めにすると、カフェインの摂取量を抑えられます。味もマイルドになり、胃への負担も少なくなります。
③ デカフェの抹茶を選ぶ
最近では、カフェインをほぼゼロにした「デカフェ抹茶」 も販売されています。カフェインが気になる方は、こうした商品を活用するのもおすすめです。
まとめ
- 妊娠中のカフェイン摂取量は 1日200mg以下 が目安
- 抹茶は 1日1〜2杯程度 ならOKだが、他のカフェイン飲料と合わせるときは注意
- 午前〜昼間に飲む、食後に飲む、葉酸の摂取時間とずらす ことで影響を抑えられる
- ミルクや豆乳と合わせる、薄めに淹れる、デカフェ抹茶を選ぶ ことでより安全に楽しめる
適量を守りながら、妊娠中でも安心して抹茶を楽しみましょう!
授乳中に抹茶を飲む際の注意点
授乳中に抹茶を飲むことは可能ですが、母乳を通じて赤ちゃんにカフェインが届く可能性があるため、摂取量やタイミングを調整することが大切です。ここでは、授乳中に抹茶を飲む際の注意点や工夫について解説します。
カフェインが母乳を通じて赤ちゃんに与える影響
カフェインを摂取すると、その一部が母乳に移行し、赤ちゃんの体内に入ることがあります。特に生後3ヶ月までの赤ちゃんはカフェインの分解能力が低いため、影響を受けやすいとされています。
カフェインが赤ちゃんに与える可能性のある影響
- 寝つきが悪くなる(興奮状態が続く)
- 機嫌が悪くなる(泣く時間が長くなる)
- 消化不良を起こすことがある(胃腸が未発達なため)
ただし、授乳中のカフェイン摂取については厳しく制限されているわけではなく、1日200〜300mg程度のカフェイン摂取であれば問題ないとされています。
授乳中のカフェイン摂取量の目安
授乳中のカフェイン摂取量の目安として、以下のような基準があります。
- 米国小児科学会(AAP):母乳育児中のカフェイン摂取は 1日300mg以内 が目安
- 欧州食品安全機関(EFSA):1日200mg以内 が推奨されることもある

▶ 抹茶1杯(200ml)のカフェイン量は30〜60mg程度なので、1日2〜3杯までなら安全な範囲と考えられます。
ただし、コーヒーや紅茶、チョコレートなど他のカフェインを含む食品と合わせる場合は、トータル摂取量に気をつけましょう。
赤ちゃんへの影響を抑えるための工夫
① 授乳直後に抹茶を飲む
カフェインの血中濃度は、摂取後30分〜2時間でピークに達し、その後徐々に減少します。そのため、授乳直後に飲めば、次の授乳時にはカフェインの濃度が下がっているため、赤ちゃんへの影響を最小限にできます。
② 赤ちゃんの様子を見ながら調整する
赤ちゃんによってカフェインへの感受性は異なります。「寝つきが悪くなった」「ぐずりが増えた」などの変化があれば、カフェイン摂取量を減らしてみるのがおすすめです。
③ 夜の授乳前は控える
カフェインの影響で赤ちゃんが興奮しやすくなることを防ぐため、夕方以降は抹茶を飲まないようにすると安心です。
④ デカフェ抹茶やカフェインレス飲料を活用する
最近は、カフェインをほぼ含まないデカフェ抹茶 も販売されています。カフェインが気になる方は、こうした商品を活用すると良いでしょう。
まとめ
- 母乳を通じてカフェインが赤ちゃんに届く可能性があるため、1日200〜300mg以内を目安に
- 抹茶は1日2〜3杯程度ならOK(他のカフェイン飲料と合わせる場合は注意)
- 授乳直後に飲むことで赤ちゃんへの影響を抑えられる
- 赤ちゃんの様子を見ながらカフェイン摂取量を調整する
- 夕方以降は控える、デカフェ抹茶を活用するのもおすすめ
授乳中も適量を守りながら、安心して抹茶を楽しみましょう!
妊娠・授乳中におすすめの代替飲料
妊娠中や授乳中にカフェイン摂取を控えたい場合、カフェインを含まない、または少ない飲み物を選ぶと安心です。ここでは、抹茶の代わりに楽しめるおすすめの飲み物を紹介します。
カフェインが少ない・含まれないお茶
① ルイボスティー(ノンカフェイン)
ルイボスティーは、カフェインを含まず、ミネラルや抗酸化成分が豊富な健康茶です。妊娠中・授乳中でも安心して飲めるうえ、鉄分の吸収を妨げないため、貧血予防にも役立ちます。
▶ おすすめポイント
- ノンカフェインなので時間を気にせず飲める
- 抗酸化作用があり、むくみ対策や美肌効果も期待できる
② 麦茶(ノンカフェイン)
麦茶はノンカフェインで、ミネラル(カリウム・マグネシウムなど)が豊富なため、水分補給に最適です。妊娠中や授乳中は特に水分不足になりやすいので、普段の飲み物として取り入れるのもおすすめです。

▶ おすすめポイント
- 胃にやさしく、リラックス効果も期待できる
- 夏場の水分補給にぴったり
③ ほうじ茶(カフェインが少なめ)
ほうじ茶はカフェインが少なく、香ばしい香りでリラックス効果があるのが特徴です。完全なノンカフェインではありませんが、抹茶や緑茶よりもカフェインが少ないため、カフェイン摂取量を抑えたい方に向いています。
▶ おすすめポイント
- カフェインが少なめで、寝る前でも飲みやすい
- 胃腸にやさしく、妊娠中・授乳中でも安心
ノンカフェインの抹茶風飲料
① デカフェ抹茶(カフェインレス抹茶)
最近では、カフェインを取り除いた「デカフェ抹茶」 も販売されています。味や風味は抹茶とほぼ同じなので、カフェインを気にせず楽しめるのが魅力です。
▶ おすすめポイント
- 抹茶の風味を楽しみながらカフェインを抑えられる
- 普通の抹茶と同じようにラテやスイーツに使える
② 抹茶風味のハーブティー
抹茶そのものではありませんが、抹茶風味のハーブティー も販売されています。カフェインゼロでありながら、抹茶のような味わいを楽しめるため、代替飲料としておすすめです。
▶ おすすめポイント
- 抹茶が飲みたいけれどカフェインが気になる方にぴったり
- ハーブのリラックス効果も期待できる
まとめ
- ルイボスティーや麦茶はノンカフェインで妊娠・授乳中でも安心
- ほうじ茶はカフェインが少なめなので、適量ならOK
- デカフェ抹茶や抹茶風味のハーブティーなら、抹茶の風味を楽しみながらカフェインを抑えられる
カフェインが気になる方は、こうした代替飲料をうまく取り入れながら、安心して過ごしましょう。
まとめ
抹茶は健康に良い飲み物ですが、妊娠中や授乳中はカフェインやカテキンの影響を考えて適量を守ることが大切です。
妊娠中のポイント
- カフェイン摂取量は1日200mg以下が目安(抹茶1〜2杯程度)
- カテキンの摂取により葉酸の吸収が妨げられる可能性があるため、妊娠初期は特に注意
- 午前〜昼間に飲む、ミルクや豆乳で薄める、デカフェ抹茶を活用するのもおすすめ
授乳中のポイント
- カフェインは母乳を通じて赤ちゃんに届く可能性があるため、1日200〜300mg以内に抑える
- 授乳直後に飲むことで、次の授乳時の影響を軽減できる
- 赤ちゃんの様子を見ながら調整し、寝る前は控えるのがベター
代替飲料の活用
カフェインが気になる場合は、ルイボスティーや麦茶、デカフェ抹茶 などをうまく取り入れるのもおすすめです。
妊娠中・授乳中も、適量を守りながら抹茶を楽しむことは可能です。カフェイン摂取量に気をつけつつ、自分に合った飲み方を見つけて、安心して過ごしましょう!
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